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バリア性試験

マスク

防護服

細菌ろ過効率(BFE)とウイルスろ過効率(VFE)試験

適用範囲

 細菌ろ過効率(BFE)試験とウイルスろ過効率(VFE)試験は、図1に示した同一構成の試験装置を使用します。この試験装置は、米国材料試験協会規格 ASTM F2101 に規定されています。
 BFE試験では黄色ぶどう球菌、VFE試験ではφX174と呼ばれる大腸菌のみに感染・増殖するバクテリオファージと呼ばれるウィルスの一種を使用します。
 なお、VFE試験は ASTM F2101 を元に当ラボで独自に開発した試験方法です。

図1 BFE・VFE試験装置概略

試験方法

 送液ポンプによりネブライザーに導入された細菌またはウィルス懸濁液は、圧縮空気によりエアロゾル化(平均粒子径3.0μm)され、定流量吸引ポンプにより流量28.3L/分に調整されたガラス製チャンバー内を移動します。
 エアロゾルはサンプルを通過する際にそのフィルター性能に比例して捕集されます。捕集されなかった残りのエアロゾルは6段構成のアンダーセンサンプラー中にセットされた寒天培地(BFE)または大腸菌を含む寒天培地(VFE)入りのシャーレに捕集されます。
 このシャーレを培養すると、エアロゾルが捕集された部分にBFE試験では"コロニー"と呼ばれる細菌の集合体(図2参照)が、VFE試験では大腸菌がウィルスに感染し溶菌することによって"プラーク"と呼ばれる透明な斑点(図3参照)が現れます。
 サンプルをセットせずに試験した場合(コントロール試験)とセットした場合のコロニー数またはプラーク数を数え、図1中の(1)式によってBFE(%)またはVFE(%)を算出します。

図2 BFE試験 コロニーの状態
図3 VFE試験 プラークの状態

基準値

 日本国内においては、BFEやVFEの明確な基準値はありません。米国材料試験協会規格 ASTM F2100 には医療用マスクに使用する材料の性能規格にBFEの基準があります。当センターでは、下表に示したすべての試験が実施可能です。

表1. ASTM F2100に規定される医療用マスク材料の性能区分
試験方法性能区分
レベル1
性能区分
レベル2
性能区分
レベル3
細菌ろ過効率(BFE%)
ASTM F2101
≧ 95≧ 98≧ 98
圧力損失(mmH2O/cm2)
MIL-M-36954C
< 4.0< 5.0< 5.0
微粒子ろ過効率(PFE%@0.1μm)
ASTM F2299
≧ 95≧ 98≧ 98
人工血液の耐浸透性(mmHg)
ASTM F1862( ≒ ISO 22609)
80120160
燃焼性
16 CFR Part 1610
クラス1クラス1クラス1

マスクの人工血液バリア性試験(ISO 22609、ASTM F1862)

試験方法概要

 マスクに対する人工血液の耐浸透性の評価方法として、ISO 22609(JIS T 8062)および ASTM F1862 が規定されています。
 試験の概要は以下の通りです。
 調湿したマスクをホルダー(S)に取り付け、サンプルから30cmの位置のノズル(C、V)から人工血液(Rに加圧充填)を噴射します。この時の人工血液の噴射圧は、コントローラ(VC)にて10.6(80)、16.0(120)および21.3(160)kPa(mmHg)のいずれかに調整されています。
 人工血液はターゲットプレート(T)の細孔を通過した後、マスクに当たります。噴射後、サンプルの裏面を10秒間観察して人工血液の浸透の有無を目視で確認します。

試験方法概要

 日本国内において明確な基準値はありません。米国 ASTM F2100(医療用マスク材料の性能基準)において下表の基準があります。

表1. ASTM F2100に規定される医療用マスク材料の性能区分
試験方法性能区分
レベル1
性能区分
レベル2
性能区分
レベル3
細菌ろ過効率(BFE%)
ASTM F2101
≧ 95≧ 98≧ 98
圧力損失(mmH2O/cm2)
MIL-M-36954C
< 4.0< 5.0< 5.0
微粒子ろ過効率(PFE%@0.1μm)
ASTM F2299
≧ 95≧ 98≧ 98
人工血液の耐浸透性(mmHg)
ASTM F1862( ≒ ISO 22609)
80120160
燃焼性
16 CFR Part 1610
クラス1クラス1クラス1

マスクの圧力損失試験(MIL-M-36954C)

試験方法概要

 マスクの呼吸のしやすさの指標となる圧力損失の測定方法として、MIL-M-36954C(現在廃版) が規定されています。試験の概要は以下の通りです。
 調湿したマスクを試料ホルダー(直径2.5cm)に取り付け、吸引ポンプを調節して流量が8L/minとなるようにします。この時の圧力損失(mmH2O)を測定し、測定面積で割返した値(mmH2O/cm2)を最終結果とします。

装置の構成

試験結果の解釈

 日本国内において明確な基準値はありません。米国 ASTM F2100(医療用マスク材料の性能基準)において下表の基準があります。

表1. ASTM F2100に規定される医療用マスク材料の性能区分
試験方法性能区分
レベル1
性能区分
レベル2
性能区分
レベル3
細菌ろ過効率(BFE%)
ASTM F2101
≧ 95≧ 98≧ 98
圧力損失(mmH2O/cm2)
MIL-M-36954C
< 4.0< 5.0< 5.0
微粒子ろ過効率(PFE%@0.1μm)
ASTM F2299
≧ 95≧ 98≧ 98
人工血液の耐浸透性(mmHg)
ASTM F1862( ≒ ISO 22609)
80120160
燃焼性
16 CFR Part 1610
クラス1クラス1クラス1

防護服の人工血液・ウィルスバリア性試験の概要

対象サンプル

 フィルムがラミネートされた生物学的防護服やその生地。

試験方法

試験方法として、以下の4種類が規格化されています。

  • 人工血液バリア性試験:
    ASTM F1670、JIS T 8060(ISO 16603)
  • ウィルスバリア性試験:
    ASTM F1671、JIS T 8061(ISO 16604)

試験の流れ

 サンプルを試験セルにセットした後、人工血液を試験セルに注入し、所定の圧力を掛け、生地の裏側の人工血液の浸透の有無を目視で判定します(人工血液バリア性試験)。
 人工血液バリア性試験に合格したサンプルについては、同様に試験セルにウィルス懸濁液を注入した後、所定の圧力を掛け、生地の裏側を洗い出し、この洗い出し液を培養してプラークの有無を確認し、目視で確認できない極微量のウィルス懸濁液の浸透を検出します(ウィルスバリア性試験)。
 試験で使用するウィルスとして、"バクテリオファージφX174"(懸濁液の濃度 約108pfu/mL)を使用します。このウィルスは直径約25〜27nmの正20面体構造を持ち、人への感染性は無く、大腸菌のみで増殖する性質を持ちます。

試験方法の相違点

 ASTM法とJIS法の相違点を下表にまとめます。
 JIS法のご依頼時には、圧力のクラス(JIS T 8060 の C、D または JIS T 8061 の C1、D1)または試験圧力のご指定(JIS T 8061 の C、D)をお願い致します。

ASTM F1670、F1671JIS T 8060(ISO 16603)JIS T 8061(ISO 16604)
方法A、B❇︎︎手順A、B❇︎︎(JIS T 8060、8061共通)
5分間 0kPa(静置)

1分間 13.8kPa

54分間 0kPa(静置)
5分間 0kPa(静置)

1分間 14kPa

4分間 0kPa(静置)
該当なし手順C、D❇︎︎(JIS T 8061のみ)
5分間 0kPa(静置)

5分間 下記いずれかの圧力
手順C、D❇︎︎(JIS T 8060)または手順C1、D1❇︎︎(JIS T 8061)
JIS T 8122 に規定されるクラス加圧条件
クラス15分間 0kPa(静置)
クラス25分間 1.75kPa
クラス35分間 3.5kPa
クラス45分間 7kPa
クラス55分間 14kPa
クラス65分間 20kPa

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