カケン専門情報ポータルサイト

抗菌試験

繊維製品

プラスチック、金属などの非繊維製品(JIS Z 2801)

光触媒加工製品

JIS L 1902 菌液吸収法の概要

 JIS L 1902で規定されている「菌液吸収法」の作業概要(手順)を以下に写真でご説明します。

①スラント保存菌
②画線後平板
③振とう培養器(一次培養)
④培養後のNB(約1億個/mL)
⑤再度NBに接種
⑥二次培養
⑦1/20 濃度NB(約10万個/mL)
⑧サンプルへの接種×6試験片(0.2mL/0.4g)
⑨洗い出し(20mL)
⑩10倍希釈系列作成(生理食塩水9mL+洗い出し原液1mL→繰り返し)
⑪滅菌シャーレ
⑫滅菌シャーレ
⑬培養後のシャーレ

【各活性値の算出】

  • 静菌活性値:S=(Mb-Ma)-(Mc-Mo)
  • 殺菌活性値:L=Ma-Mc

試験結果の見方(SEKマーク基準について)

 繊維製品の機能性加工の基準として、代表的なものに(一社)繊維評価技術協議会(繊技協)が定めるSEKマーク認証基準があります。この基準の中で、抗菌加工に関しては以下の3種類が定められております。
 試験結果の解釈にお役立て下さい。

  • SEK青マーク認証基準:抗菌防臭加工
    繊維上の細菌の増殖を抑制し、細菌由来の悪臭を防ぐ加工。靴下や肌着などが中心。
  • SEK橙マーク認証基準:制菌加工(一般用途)
    繊維上の細菌の増殖を抑制する加工。一般家庭で使用する製品が中心。
  • SEK赤マーク認証基準:制菌加工(特定用途)
    繊維上の細菌の増殖を抑制する加工。病院、介護施設で使用する製品向け。白衣、病院用カーテンなどが対象。

【SEKマークの基準値*1

マークの色加工の種類試験菌試験方法基準値
抗菌防臭加工黄色ぶどう球菌JIS L 1902 菌液吸収法洗濯前後*2抗菌活性値≧2.2
制菌加工(一般用途)黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌、オプション菌*3JIS L 1902 菌液吸収法洗濯前後*2抗菌活性値≧増殖値F
制菌加工(特定用途)黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌、MRSA、オプション菌*3JIS L 1902 菌液吸収法洗濯前後*2抗菌活性値>増殖値F

*1:SEKマーク認証には抗菌性データの他に各種安全性試験のデータが求められます。
*2:洗濯回数はサンプルの種類により異なります。(例:靴下は洗濯10回など…)
*3:制菌加工にはオプション菌として大腸菌、緑膿菌、モラクセラ菌(JIS準用)が指定されています。

【各活性値の計算式】

活性値計算式
抗菌活性値(A)$$A=(\log C_t - \log C_0)-(\log T_t - \log T_0)$$
$$\log C_t$$ log(平均(綿標準布18時間培養の生菌数))
$$\log C_0$$ log(平均(綿標準布接種直後の生菌数))
$$\log T_t$$ log(平均(抗菌加工布18時間培養の生菌数))
$$\log T_0$$ log(平均(抗菌加工布接種直後の生菌数))
増殖値(F)$$\log C_t - \log C_0$$

 カケンは  一般社団法人繊維評価技術協議会 の認定を受けており、SEKマーク認証に必要な抗菌試験の実施が可能です。

定性試験(ハローテスト)の概要

適用範囲

 抗菌加工が施された繊維製品の抗菌性を定性的に評価します。

試験方法

 円形、または正方形にカットした抗菌加工繊維製品を試験菌を含む寒天平板培地の中央部に置き、37℃で24〜48時間培養します。培養後の試料の周囲にハロー(発育阻止帯:細菌の発育がない透明な部分)があれば「抗菌性あり」と判定します。
 この試験方法は、原則、溶出生の高い抗菌剤で加工された繊維製品が対象となります。

ハローあり(抗菌性あり)
ハローなし(抗菌性なし)

JIS Z 2801:2010の概要

適用範囲

 抗菌加工を施した非繊維製品(プラスチック、金属など)の表面における抗菌効果を評価します。

試験方法

 50mm×50mmの試験片(標準サイズ:抗菌加工品と無加工品)を滅菌済みシャーレに入れた後、1.0×105個〜4.0×105個の試験菌(黄色ぶどう球菌または大腸菌)を含む菌液0.4mLを試料の中央部に滴下し、40mm×40mmに切断したポリエチレンフィルム(標準サイズ)で被覆します。
 このシャーレを相対湿度90%以上で24時間培養後の1㎠あたりの生菌数を測定し、以下の抗菌活性値を算出します。なお、標準サイズの試験片が用意できない場合は接種面積を減じることができます。この場合、接種菌液量は面積に応じて減じます。

基準値

抗菌活性値 (R) = Ut - At ≧ 2.0

Ut:無加工試験片の24時間後の1㎠あたりの生菌数の対数値の平均値
At:抗菌加工試験片の24時間後の1㎠あたりの生菌数の対数値の平均値

光触媒加工製品の抗菌性試験

適用範囲

 光触媒を含む抗菌加工製品の抗菌性を実使用環境に使い光照射下で評価します。

試験方法

JIS R 1702 ファインセラミックス - 光照射下での光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果

試験方法試料の種類試料の形状
ガラス密着法単味光触媒抗菌加工またはハイブリッド光触媒抗菌加工を施した繊維製品厚すぎるものは試験不可(ガラスにより密着できる厚さ)
フィルム密着法単味光触媒抗菌加工またはハイブリッド光触媒抗菌加工を施した平板状製品平板状、厚さ10mm以内
 下図に示す試験用シャーレを組み立て、菌液を試料に接種し、8時間、一定放射紫外線強度の光照射後、生菌数を測定して光触媒加工製品の抗菌性を評価します。  また、ハイブリッド光触媒加工製品は上記試験に加え、暗所での抗菌性を JIS L 1902 菌液吸収法(繊維製品)または JIS R 1702附属書Aに規定される方法(≒JIS Z 2801、平板状製品)により評価します。

試験菌の条件

 JIS R 1702 の試験菌は下表の通りです。

試験方法菌種
ガラス密着法黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌
フィルム密着法黄色ぶどう球菌、大腸菌

紫外線照射強度の目安

 JIS R 1702 では紫外線強度の目安として、以下の数値が記載されています。加工の種類、使用環境等に適した紫外線放射強度をご指定下さい。なお、紫外線放射照度が強すぎると、それだけで細菌の増殖が抑制される場合があるため、強い紫外線放射照度による試験は推奨できません。

紫外線放射照度代表的な場所
0.25mW/㎠昼間の窓際、光触媒機能を作用させるために使用される紫外線蛍光ランプ等の補助光源を使う場合
0.10mW/㎠昼間の室内(太陽光が入る窓から1.5m程度内側まで)、朝や夕方の窓際
0.01mW/㎠昼間の室内(太陽光が入る窓から3m程度内側まで)
0.001mW/㎠太陽光が入らない昼間の室内や夜間の室内

試験結果の見方

 JIS R 1702 では以下の各活性値を算出し、試験結果の評価を行います。

【ガラス密着法】

活性値算出法
静菌活性値(SL$$S_L=M_{BL} - M_L$$
MBL:Log(光照射8時間後の標準布の生菌数)
ML:Log(光照射8時間後の光触媒加工布の生菌数)
光触媒加工布の光照射による効果(⊿S)$$\Delta S=(M_{BL} - M_L) - (M_{BD} - M_D)$$
MBD:Log(暗所8時間後の標準布の生菌数)
MD:Log(暗所8時間後の光触媒加工布の生菌数)
ハイブリッド光触媒加工布の暗所での静菌活性値(S)(JIS L 1902 菌液吸収法による)$$S=(M_b - M_a)-(M_c-M_o)$$
Ma:Log(綿標準布接種直後の生菌数)
Mb:Log(綿標準布18時間後の生菌数)
Mc:Log(ハイブリッド光触媒加工布18時間後の生菌数)
Mo:Log(ハイブリッド光触媒加工布の接種直後の生菌数)

【フィルム密着法】

活性値算出法
抗菌活性値(RL$$R_L=\log{\frac{B_L}{C_L}}$$
BL:Log(光照射8時間後の未加工品の生菌数)
CL:Log(光照射8時間後の光触媒加工品の生菌数)
光触媒加工布の光照光触媒加工品の光照射による効果(⊿R)$$⊿R=\log{\frac{B_L}{C_L}} - \log{\frac{B_D}{C_D}}$$
BD:Log(暗所8時間後の未加工品の生菌数)
CD:Log(暗所8時間後の光触媒加工品の生菌数)
ハイブリッド光触媒加工布の暗所での静菌ハイブリッド光触媒加工品の暗所での抗菌活性値(R)(附属書Aによる)$$R=\log U_t - \log A_t$$
Ut:Log(ハイブリッド光触媒加工布18時間後の生菌数)
At:Log(ハイブリッド光触媒加工布の接種直後の生菌数)

基準値

 JIS R 1702 の基準値は下表の通りです。

試験方法ガラス密着法フィルム密着法
JIS内の基準値S≧2.0(単味光触媒)またはS≧2.0かつS≧2.0(ハイブリッド)RL≧2.0(単味光触媒)またはRL≧2.0かつR≧2.0(ハイブリッド)
抗菌製品技術協議会(SIAAマーク)なし⊿R≧2.0または⊿R<2.0の場合、RL≧2.0かつ⊿R/RL≧0.5
繊維評価技術協議会(SEK紫マーク)SL≧2.0かつ⊿S≧1.0なし
光触媒工業会(PIAJマーク)SL≧2.0かつ⊿S≧0.3RL≧2.0かつ⊿R≧0.3

お気軽にお問い合わせください TEL 03-3241-2545 受付時間 9:00 - 17:15 [ 土・日・祝日除く ]

PAGETOP
Copyright © 一般財団法人カケンテストセンター All Rights Reserved.