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織物・編物の試験

帯電性

電荷を帯びる性質(静電気)を測定します。

破裂強さ

破裂に対する強さを測定します。

ピリング

毛玉の発生しやすさを測定します。

スナッグ

構成する繊維または糸が、引っ掛かりによって生地表面から突出しループ状やピル状を呈したり引きつれなどを起こすかどうかを測定します。

防汚性

汚れのつきにくさ・落ちやすさを、JIS法や化協法などにより測定します。

その他

  • 引張強さ・伸び率
  • 摩耗強さ
  • 剛軟度
  • 形態安定性
  • 引裂強さ
  • 吸水性
  • 透湿性
  • 防水性

破裂強さ試験

概要

 「破裂強さ試験」とは、「編地の破裂に対する強さ」を評価するものです。

 繊維製品は縫製工程や製品としての消費過程で、引張り、曲げ、圧縮、ねじりなどの種々の外力を受けます。そのため、これらの力に対するある程度の抵抗力が必要となります。この抵抗力を力学的に評価するのが物性試験です。その一つに「破裂強さ」があります。

 着用の際に強い力が加わり、カーディガンなどの編地が破裂(パンク)してしまったことはありませんか?これは、編地の地組織の物理的な強さが弱く、加わった力の作用で編目が破裂してしまったからです。

試験内容

 試験には、破裂試験機を使用します。

  1. 破裂試験機の台座にリング状のクランプで試験片を固定します。この台座には中央に穴があり、油圧でゴム膜が突出する仕組みになっています。
  2. 圧力を加えていくと、ゴム膜が膨らんでいきます。
  3. このとき試験片はクランプで固定されていますので、試験片に力が加わりやがて編目を突き破ります。これが、ゴム膜が試験片を突き破る強さ(圧力)となります。
  4. また、破断時のゴム膜だけの強さも測定します。
  5. ゴム膜が試験片を突き破る強さから、ゴム膜だけの強さを引いた値が「破裂強さ」の値となります。
破裂試験機

 ゴム膜が試験片を突き破る強さが590kPa、破断時のゴム膜だけの強さが90kPaの場合、計算式は 590-90=500 となり、「破裂強さ A法 500kPa」というようなものが破裂強さ試験の試験結果となります(kPaは圧力の単位で"キロパスカル"と読みます)。

ピリング試験

ピリング

 毛玉(ピル)を生じた状態のことをピリングといいます。セーターを着用していて、毛玉が発生したことはありませんか?これは、着用中の摩擦作用や洗濯処理の際の摩擦作用によって毛玉(ピル)が生じたからです。

 毛玉(ピル)が生じるのは、おおまかにわけて二つの過程によります。まず、摩擦などの物理的な作用を受けて繊維の先端が生地表面に毛羽となって出てきます。そして、生地表面に出てきた毛羽が互いに絡まり合い毛玉(ピル)を生じます。

 「ピリング試験」とは、「擦れ作用による毛玉のできる度合い」を評価するものです。

試験方法

 生地から、10×12cmの大きさの試験試料を4枚切り出します。このとき2枚は縦長に、2枚は横長に切り出します。
 それぞれの生地を、直径約3cm、長さ約15cmのゴム管に巻き付けます。試験は、生地を巻き付けたゴム管を4本一組で行います。
 試験には、縦・横・高さのそれぞれが約30cmの「回転箱」を使います。この回転箱は、内側にコルク板が貼られており、この中にゴム管4本を入れます。

回転箱の内側

 回転箱は回転軸に取り付けられており、試験の運転を開始すると回転する仕組みになっています。
 試験中(運転中)、回転箱の中ではゴム管に巻き付けた試料は互いにまたはコルク面と摩擦されます。
 一定時間後、試験機を停止させゴム管を取り出します。一般に、試験機の回転時間は織物生地の場合で10時間、編物生地の場合で5時間です。
 ゴム管から試料をはがして毛玉(ピル)の出来た程度を判定します。

ピリング試験機

判定

 判定は、判定標準写真を使用して等級を決めます(この写真も試験規格に含まれます)。

ピルが発生した試料

 判定標準写真には生地にピルが生じた状態が写っており、「1号」(ピルが大量に生じている写真)から「5号」(ほとんどピルが生じていない写真)まで5種類あります。
 試験した試料4枚を判定標準写真と比較して、どの「号」に相当するのか(このあたりは、堅ろう度試験のグレースケールを使用した判定と同じです)を決め等級を決めます。
 等級は、大きいほど良い結果を表します。 例えば、「ピリング試験 A法 4.0級」というようなものがピリング試験の試験結果となります。

スナッグ試験

スナッグ

 偶発的な引っ掛かりにより、繊維・糸が生地表面から突出し、引きつれなどを起こす現象をスナッグ(スナッギング)といいます。

 スーツの生地表面から糸がループ状に飛び出したり、引きつれを起こしたことはありませんか?これは着用の際などに、引掛け作用によって生地表面から糸が突出し、引きつれてしまったからです。

 「スナッグ試験」とは、「引掛け作用により、糸が突出・引きつれを起こす度合い」を評価するものです。

スナッグ

試験方法

 試験方法はいくつかありますが実際に試験することが多いのは、メース法と呼ばれる試験方法(A法:ICI形メース試験機法)です。

  1. 生地からA4サイズ程度の大きさの試験試料を4枚切り出します。このとき2枚は縦長に、2枚は横長に切り出します。
  2. それぞれの生地の短辺を本縫いします。このとき生地の表を内側にして円筒状に縫い、これをひっくり返し表を外側にして試料とします。
  3. 円筒状の機器(回転シリンダ)の外側に、袖を通すような感じで試料を通します。
  4. このシリンダの上方から鎖につながれたゴルフボール大の球体を吊り下げます。この球体には釘のようなスパイクが11本飛び出ています。
  5. シリンダを回転させ、回転する生地表面上をスパイク付きの球体(メース)がランダムに飛び跳ねてスナッグを発生させます。
  6. シリンダを100回転させた後、シリンダから試料を取り外します。そして、試料の表面に生じたスナッグの程度を判定します。
スパイク付きの球体

判定

 判定は、判定標準写真を使用して等級を決めます(この写真もJIS規格に含まれます)。
 判定標準写真には生地にスナッグが生じた状態が写っており、「1号」(スナッグが大量に生じている写真)から、「5号」(ほとんどスナッグが生じていない写真)まで5種類あります。試験した試料4枚を判定標準写真と比較して、どの「号」に相当するのか(このあたりは、染色堅ろう度試験のグレースケールを使用した等級判定と同じです)等級を決めます。等級は、大きいほど良い結果を表します。
 例えば、「スナッグ試験 A法 たて 4.0級 よこ4.0級」というようなものがスナッグ試験の試験結果となります。

防汚性試験

汚れにくさ、付着した汚れの落ちやすさ

 「清潔さを保ちやすい」「取扱いが簡単」等の特長から、防汚機能を有する繊維製品が数多く開発されています。そして、この機能を持たせるための手法には3つのタイプがあります。

  1. はじめから汚れが付着しにくいタイプ(Soil Guard または Soil Repellency)
  2. 汚れた後、洗濯により容易に落ちるタイプ(Soil Release)
  3. 汚れが付着しにくく、また汚れが落ちやすいタイプ

これらの評価法として、

  • 汚れにくさ:水や油を代替物として用いた評価(JIS L 1092「繊維製品の防水性試験方法」はっ水性の試験及び AATCC TestMethod 118「はつ油性」)
  • 汚れの落ちやすさ:化繊協会のダイヤペースト法

などが用いられていましたが、規格としては整備されていませんでした。
 このような状況のもと、平成18年3月25日付けで、JIS L 1919(繊維製品の防汚性試験方法)が発行され、ようやく画一的な評価試験が可能になりました。このJISでは大きな区分で、3種類の汚れにくさ試験方法が規定されています。
 また、「汚れの落ちやすさ」の評価として、上記試験後に水洗いする方法が規定されています。カケンでは、本JIS試験方法を実施できる体制をいち早く整えました。

内容区分
粗い粒子を含んだ油性の粉体汚染物質に対する防汚性(泥汚れ等を想定)A-1法ICI形ピリング試験機を用いる方法
細かい粒子を含んだ乾性の粉体汚染物質に対する防汚性(粉塵、花粉等を想定)A-2法
水性汚れに対する防汚性B法スプレー法
油性汚れに対する防汚性C法滴下ふき取り法

各種ご案内・ご相談は TEL 03-3241-2545 受付時間 9:00 - 17:15 [ 土・日・祝日除く ]

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